境内




奔龍庭
龍が奔り 雲海が煌めく。渦を巻き、様々な流れを見せる白砂を雲海に見立て、天空を自在に奔る龍を石組であらわした奔龍庭は、平成の枯山水です。



十牛之庭
牛を追う牧童の様子が描かれた「十牛図」を題材にして、近世初期に造られた池泉回遊式庭園です。十牛図に描かれた牛は、人間が生まれながらに持っている仏心をあらわしています。牧童が禅の悟りにいたるまでの道程であり、懸命に探し求めていた悟りは自らの中にあったという物語です。庭園南側には洛北最古の泉水、栖龍池があります。


水琴窟
寂静とした寺内にかすかに響く清音。緑深く、水豊かな洛北ならではの趣を演出する水琴窟は、十牛之庭の清涼となっています。一滴一滴が奏でる澄んだ音色は心地良い余韻を残し、耳にする者の心を癒し、和ませてくれることでしょう。



待月庵(茶室)
書院路地に通じる「待月庵」は、明治時代の元勲・岩倉具視公がよく茶を喫したと伝わる茶室です。お茶会を開きたい方などへ貸し出しもしておりますので、お問い合わせください。



応挙竹林
圓光寺の竹林から眺める洛北一望の景色は絶景であると近世の書物にあります。この竹林を訪れた若き絵師円山応挙は、後年この竹林をモチーフにした「雨竹風竹図(重文)」をかきあげ奉めました。夏は竹林を吹き抜ける爽やかな翠風がひんやり心地良いです。



東照宮と家康公の墓
裏山には徳川家康公の遺言により歯を埋めた墓と東照宮があります。眼下に洛北の市街地が一望できます。特に、西山に陽が沈む夕刻は、言葉にしがたい美しさをたたえています。



蟠龍窟(坐禅堂)
明治時代から近年まで日本唯一で最古の尼僧専門道場としての歴史をもつ圓光寺。日曜日早朝坐禅会には一般の方々も参加できます。「蟠龍(ばんりゅう)」とは、龍すなわち僧達が集い切磋琢磨の厳しい修行をするところの意味です。